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共通テストのリード文に隠されたアルモノ

~共通テストはリード文にヒントが?センター試験も文章にあるものが隠されていました~

エデュ・プラニングの社会課です。

2021年度に共通テストが始まり,センター試験から変化した問題形式が話題になっています。中でもリード文については「会話文の中にもヒントが」と,センター試験の時よりも文章を読ませる内容への変化を感じとった人も多かったようです。では,センター試験は文章を読む必要がなかったのか。そこに込められたメッセージはなかったのか。問題を通して見ていきます。

まずは2011年の現代社会の問題。そこには受験生に向けた想いが込められていました。第1問は「ただいまの曲はプリンセス・プリンセスの『Diamonds』でした。」から始まります。プリンセス・プリンセスは「プリプリ」の愛称で親しまれた5人組バンド。問題文にもあるように「100万枚以上出荷された日本で初めてのシングルCD」を「1990年代には景気が低迷したにもかかわらず」打ち出したほどの人気グループでした。 問題では「ミュージシャンについて」を軸に,“多様化”や歌詞に込められた“平和”などへの想いが文章にされています。そして最後は次のように締めくくられました。

「さて,本日は大学入試センター試験ですね。次の曲は全国の受験生の皆さんへの応援ソングです。それでは皆さん,がんばって下さい!」

リード文の後半4分の1は問題に関係ありませんが,問題に入る前に勇気をもらえる文章ではないでしょうか。

一方で,リード文については「読まなくても解ける」との意見があるのも事実。実際に2014年の日本史Aでは,手塚治虫の『紙の砦』がリード文とともに漫画のコマごと掲載されましたが,作品の内容まで読まなくても解答は可能でした。ページの半分も4つのコマに割いたのに何の意味があるのかと言われてもおかしくありません。ですが,取り上げられた作品に描かれているのは,戦時中でも自身の目標に向かって決してペンを離さなかった手塚自身の姿。どれだけ苦しくても諦めないというその姿勢は,地理歴史・公民を皮切りに始まる2日間の人生分け目の戦いを最後まで頑張れというメッセージにも感じとれます。1つの試験に対して深く考えすぎかもしれませんが,手塚治虫の名言をご存知でしょうか。

「人を信じよ。しかし,その百倍も自らを信じよ。」

試験中にこの言葉が頭をよぎった受験生は,ほぼいないことかと思いますが…。

このようにリード文は,仮にヒントがなかったとしても,苦しい試験を乗りこえることができるように,勇気づけられる大きなメッセージが隠されていることもあります。興味のある方はぜひ読んでみてください。 

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